YAMAHA 電子ピアノ Clavinova CLP-170 の修理 (2/2)
前回の続きYAMAHA Clavinova CLP-170の修理です。
2つ目の不具合「中央付近の鍵盤から突然大きな音が出てしまう」を直すため、鍵盤を分解します。
まず、液晶ディスプレイ、スイッチ類のついているパネルを固定しているネジをはずします。
フロッピードライブにつながっている電源ケーブルとインターフェースケーブルをはずします
すると、パネルを倒して浮かせることができるようになります。
次に、鍵盤の左にある押さえ木を取り外します。これはネジ1つで固定されています。
右側の押さえ木ははずす必要はありません。
さらに、鍵盤をとめているネジをはずしていきます。これで鍵盤が動くようになります。
こうして、1.パネルを浮かせ、2.鍵盤の奥を掴んで、鍵盤を奥の方向にずらします。
すると3.のように鍵盤の手前を上に動かせるようになります。
すると、鍵盤をつないでいる1本のケーブルがありますので、これをはずします。
鍵盤ユニットを裏返すと、スイッチ基盤があります。この基盤をはずします。
1鍵につき3つのスイッチが使われています。
写真にある灰色のスイッチラバー部分が、よく叩く真ん中の鍵盤部分のみ、数ミリズレてきているようです。
基盤を掃除し、スイッチラバーはぬるま湯+中性洗剤で洗い、ホコリ+汚れを落としました。
清掃後、組み上げる際に、スイッチラバーのズレも直します。
組んでためし弾きをすると、一音出ない!
原因は、洗ったときにスイッチラバーの1つをひっくり返してしまっていました。ペコッと直して組みなおし。
今度は全ての音が出て、且つ、今までのように突然大きな音が出ることもなくなりました!
その後、1時間に渡って弾きまくりましたが、不具合2は起こりませんでした。
あとは、分解とは逆にプロセスをたどって完全に組み立て、修理完了です。
ついでに、輝きのなくなっていたペダルもピカールで磨き、新品同様に戻りました。
今回は失敗できない修理で大変でしたが何とか問題を解決することができました。
この不具合の原因は両方ともYAMAHAの設計ミスではないかと思います。理由は
1. 鍵盤のクッションのフェルトをわざわざ発泡ウレタンを間に挟んで固定していた。発泡ウレタンが加水分解でボロボロになるのは、よく知られていることで、発泡ウレタンを使ってなければフェルトが落ちることはなかった。
2. よく使う鍵盤位置のスイッチのシリコンゴムがずれていたが、プラスティックの筐体を、このゴムをはめ込むような形に作っておけばこの不具合は起こらない。実際、ズレ無い様にこのゴムを基盤に固定するのは若干難しかった。ずれ易い形になっているようだ。
とにかく、今後同じ不具合が出ても、自力で直せるようになったので安心です。直せてよかった :)